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リノベーションによる中古マンションの資産価値について

「中古マンションのリノベーションと資産価値の関係」について気になっている方は多いのではないでしょうか?

せっかく資産価値が高い中古マンションを購入しても「リノベーションして資産価値を落としたくないな」「どうしてリノベーションすると資産価値に本当に影響があるの?」このように考えている方も少なくないでしょう。

結論から言うと中古マンションをリノベーションすると明らかに資産価値が高まることはありませんが、リノベーションによっては下がりにくくなります。ですが、資産価値が確実に低下するケースも少なくありません。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

・マンションの資産価値とは?
・中古マンションの資産価値に影響する要素
・リノベーションしたマンションの資産価値が下がりにくい理由
・資産価値に影響するリノベーションのポイント

この記事ではリノベーションは資産価値にどのような影響を及ぼすのか、それはどうしてか? どこをリノベーションすると影響するのか? について解説します。中古マンションの資産価値を気にして、リノベーションに迷っている方はぜひ参考にしてください。

マンションの資産価値とは?


資産価値とは不動産や時計など財産と呼ばれるものが市場で取引される際の値段のことです。不動産の資産価値は建物の値段と土地の値段の2つの価値の合計で、資産価値が高いほど高く売れることを意味しています。

そのため、資産価値を高く維持したまま住み続ければいずれ売却したときのお金も大きく、新築の持ち家や賃貸よりも費用面では得をするでしょう。また資産価値は需要や人気とも言い換えられ、人気の高い物件であれば価値は高いです。

そのため、客観的に見て、他人から住みたいと思われる物件なのかを考えると資産価値が予測できるでしょう。

中古マンションの資産価値に影響する要素


中古マンションの資産価値は主に土地の価値が占める割合が大きく、建物の価値はほとんどありません。ですが以下の10の要素は土地と建物の両方の価値に影響するものですので、資産価値を高く維持したいと考えている方はぜひ覚えていてください。

築年数

築年数は最も資産価値に影響する要素です。一般的に不動産の資産価値は時間とともに建物の価値が減っていきます。

特にマンションの場合、築10年目までは急激に価値が下落する期間です。築11年目から20年目になると比較的、緩やかに価値が減少していき、物件にもよりますが25年以降はほとんど減少しないものもあります。

そのため、一般的に中古マンションを購入する際は資産価値の減少幅が落ち着いてきた築25年以降の物件を狙う人が非常に多いです。築25年以降の物件の価格は主に土地の価格ですので、逆に資産価値が減少しにくい反面、価値を増加させることも難しい特徴があります。

立地

物件の資産価値には立地も非常に重要です。特に資産価値の減少が緩やかになる築25年以上の物件では、立地によって資産価値が決まってきます。

たとえば、駅や郊外の物件だとまだまだ開発されていない土地も多いので、建物の価値だけでなく、人口が減少している日本では将来的な土地の価値も下がるでしょう。一方、駅近郊などの都心であれば便利な立地で、場所にも数が限られていますし、将来的にも人が集まり続ける可能性が高いので土地の価値が下がりにくいです。

住民の年齢層

住民の年齢層も資産価値に影響があります。たとえばマンションに子連れの親が引っ越した場合、資産価値が高まるケースは同い年程度の子供がいる家庭が近隣住民である場合です。

近隣に似た状況の家庭が存在しているとお互いにメリットを得やすいこともあります。他にもサラリーマンの方であれば、夜から活動し始める住民よりも同じサラリーマンや老人の住民の方が得る恩恵は大きいでしょう。

このように住民の年齢層によって生活面で思わぬ付加価値が付くことがあるので、住民の年齢層は意外と重要視されます。

エレベーターの有無

エレベーターがあると実は資産価値が高く評価されます。一般的にエレベーターがあって価値が上がるケースは物件が4階以上の建物である場合です。

物件が4階以上であればエレベーターがないと不便になるケースが多いので資産価値が高まるケースがあります。ですが3階以下の物件であればエレベーターがあっても使わない住民がほとんどですので、エレベーターの有無で資産価値が低下することはないです。

どちらにしても物件にエレベーターがあれば資産価値は高まると覚えておきましょう。

間取り

間取りも資産価値に影響する要素の1つです。収納スペース、開口部の位置や広さ、部屋の数や形、生活動線の配置などさまざまな要素が住みやすい間取りに設計されていれば資産価値が高い傾向があります。

また不動産投資の目線では単身向けや2人暮らし向け、ファミリー向けの物件の間取りのなかで単身向けの物件が最も資産価値が高いです。理由は賃貸を借りる人の多くは単身者という現状もありますが、単身ですと人数が1人であることから物件に出入りがしやすい背景があるからと言われています。

そのため、単身用物件の間取りの方が需要が高いので、単身向けの物件に住んでいるなら、リノベーションで間取りの変更には気を使いましょう。

階数

マンションの中でも物件の階数によって資産価値が変わります。一般的に同じ広さであっても階数が高いほど資産価値が高く、階数が低いほど価値も低くなりやすいです。

特に顕著であるのが高層マンションで、下層階と高層階では約1.2倍の資産価値の差が現れます。また低層マンションと言われる2階から3階の物件であっても階数が高いほど資産価値が高いです。

ですが階数が高ければ高いほどリノベーションの機材や荷物を運ぶことが大変になるため、リノベーション費用がさらにかかることを認識しておきましょう。

眺望

眺望も良い方が資産価値が高くなりやすいです。たとえば、物件から富士山が見えたり、東京タワーやスカイツリーが見えたり、東京の景色を一望できたりといった絶景が物件から見えると資産価値は高くなります。

ですが、他の物件が近くに建設されることによって、眺望が悪くなるケースもあるのでいつまでも資産価値が高いままであるかはわからないです。主に付加価値ですので、大きな影響はありませんが、眺望が良いに越したことはないので、認識しておきましょう。

部屋の方角

部屋の方角は資産価値に非常に大きく関与しています。なぜなら部屋の方角によって日当たりが良くも悪くも大きく変わってくるからです。

たとえば一般的に南向きの物件は日当たりがいいため、昼間は多くの日光が部屋の中に入り、洗濯物も乾きやすかったりと光熱費の部分でメリットがあります。一方、北向きの物件は南向き物件と真逆ですので、最も価値が低いです。

実際に、日当たりのいい南向きの中古物件と日当たりの悪い北向きの新築物件であれば中古マンションの方が資産価値が高く評価されることもあります。ですが、方角が南向きであっても周りに日差しを遮るような建物が建設された際には資産価値が落ちるケースがあるのでしっかり把握しておきましょう。

マンションの管理状態

マンションの管理状態は資産価値を保ち続けるという意味で非常に重要な要素です。なぜなら管理状態によって物件の清潔さや住みやすさが保たれているからです。

当然、管理状態がよく、物件が清潔で住みやすく手入れされている方が人気が高く、資産価値も高い傾向があります。物件は立地がよくても購入して時間がたてば必ず資産価値が減少し、25年程度で建物の価値はほとんどなくなります。

しかし、マンションの管理状態がよければ資産価値の減少速度を抑えられますし、建物の価値も0になることはないです。そのため、資産価値を高く保ちたいならマンションの管理状態は確実に確認しておきましょう。

周辺環境

周辺環境も資産価値に影響を及ぼします。たとえば周辺にスーパーや病院、学校、銀行などがあると便利であるため、資産価値も高まりやすいです。

また周辺に学校や公園、駅が近くにあると子育て世代からのニーズが常にあるため、資産価値が減少しにくい特徴もあります。他にも車が通りやすい大通りに面しているかや周辺の治安の良さといった要素も資産価値に影響を与えています。

リノベーションしたマンションの資産価値が下がりにくい理由


リノベーションしたマンションの資産価値が下がりにくい理由は、リノベーションをすることにより多くの人のニーズを満たせる物件になるからです。資産価値は人気や需要といった、どれだけの人が求めてもらえるかで決まります。

そして人気や需要は部屋の間取りやキレイさによる住みやすさが関わってくるので、リノベーションによって快適な空間になると当然、資産価値は下がりにくいです。特にリノベーションの多くは現状の物件に何か不満や悩みを解決するために行います。

不満や悩みのある状態よりも解決した方が多くの人から住みたいと思ってもらえるので価値が下がりにくいです。また不満や悩みがなくても、さらに快適な空間にするために部屋の間取りやキレイさ、生活動線の設計、雰囲気などをリノベーションする人もいます。

これらの背景から、一般的にリノベーションするとマンションの資産価値が下がりにくいと言われています。

資産価値に影響するリノベーションのポイント


リノベーションの中でも資産価値に影響を及ぼすポイントが4つあります。以下の4つは人の住みたいというニーズを増加させるポイントでもありますので、実際に自分に置き換えながら理解してください。

間取り

リノベーションにより、個性的な間取りにしてしまうとなかなか買い手が見つからないので、必然的に資産価値が下がりやすい傾向があります。そのため、リセールバリューを考慮するのであれば年齢や家族構成を問わない、さまざまなライフスタイルに適応した間取りにすると良いでしょう。

たとえば、家の段差をなくしたり、窓に身を乗り出さないための手すりを設置したりなどユニバーサルデザインを設けると資産価値が付きやすいです。他にもリビングを広くしたり、キッチンも開放的で対面式にしたりするとさまざまなライフスタイルの人に適しているので、高く評価してもらえます。

材質

材質も資産価値に影響を与えているポイントです。壁や床は基本的に後で変更できるため、資産価値に大きな影響はないと考えられていますが、自然素材をリノベーションで取り入れると影響を及ぼすケースがあります。

たとえばヒノキやオークなどの無垢材や漆喰などの自然素材でリノベーションした場合に影響しやすいです。これらの素材は時間経過とともに新建材では手に入らない深みのある雰囲気を演出するので、資産価値が高まりやすいです。

ナチュラルで落ち着いた雰囲気で暮らしたいと考えている層にアピールすると、資産価値を高く評価してくれるでしょう。

日当たりや風通しの良さ

日当たりや風通しの良さも資産価値に影響を及ぼします。具体的には日当たりや風通しが良くなるように窓の位置や間取りを設計したリノベーションをおこなうと資産価値が落ちにくいです。

一方、自分のやりたいリノベーションを行って窓の位置を変えたり、間取りも風通しが悪くなったりすると資産価値が下がります。内装のリノベーションなどは大きな問題にはなりませんが、間取りと窓の位置を変えるリノベーションには細心の注意を払いましょう。

住宅設備

住宅設備が充実しているか?も、資産価値に関わってきます。一般的に資産価値として評価されるのはトイレやお風呂、洗面所、クーラー、暖房、備え付けのテレビなどの設備が充実しているかという点です。

これらが初めから備え付けられていると当然、入居者の負担は減りますし、新しくてきれいな備え付けであれば、なおさら価値は高くなります。そのため、資産価値を高めるリノベーションを考えているなら設備を備え付けて、できるだけキレイに使うことを意識しましょう。

まとめ


中古マンションのリノベーションは資産価値を高める手段として一般的な方法で、基本的に資産価値が下がることはありません。今回紹介したポイントのすべてに共通しているのが、買い手にこの家に住みたいと思ってくれるかどうかによっておおむね資産価値は決まるということです。

そのため、買い手が魅力を感じるようなリノベーションができると必然的に資産価値が高まることをしっかり覚えておきましょう。今後売却を考えてリノベーションを考えている方はぜひ参考にして下さい。