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【事例あり】古民家を店舗にリノベーションするメリットとデメリット

「古民家をリノベーションして店舗を開業してみたい」と考えていませんか?自身で店舗を持った商売を考えているとどうしても店舗や家賃をやすくしたいと考えている方も多いでしょう。

そんな中、店舗を購入してリノベーションするという考えを持った時に「古民家を購入してリノベーションすれば家賃といった固定費は確実に抑えられるけどそんな事例あるのかな?」「実際に店舗をリノベーションしてビジネスを大きく成功させた事例がみたい」このように考えている方もいるでしょう。

実は特に最近は、古民家をリノベーションして店舗ビジネスを始める人が増えてきています。そして実際に店舗として成功させた事例も多いです。

今回は以下のトピックについて解説します。

  • 古民家をリノベーションするメリット
  • 古民家をリノベーションするデメリット
  • 古民家をリノベーションした店舗事例
  • 古民家リノベーションで店舗を開業する際の注意点

この記事では古民家をリノベーションして店舗ビジネスを始めるメリットとデメリット、実際に成功した店舗事例や開業までの注意点について解説します。自分で店舗をもった開業を考えている方で店舗の問題に頭を悩ませている方はぜひ参考にしてください。

古民家をリノベーションするメリット


古民家をリノベーションするメリットは主に5つあります。古民家ならではのメリットで、活かせると大きな力を生み出すので、ぜひ理解しておきましょう。

固定資産税を軽減できる

古民家をリノベーションすると固定資産税を軽減できます。固定資産税とは毎年、建物や土地を所有していると発生する地方税のことです。

特徴は建物の資産価値によって金額が変わっていくため、ボロボロになって資産価値が高くない古民家であれば固定資産税の軽減効果を見込めるでしょう。また古民家は築年数も長いので、軽減効果は非常に期待できます。

固定資産税は高すぎて経営を圧迫する要因であるため、軽減できることは大きなメリットです。他にも固定資産税を抑えられると廃業の際にもメリットを享受できます。

実は固定資産税は、物件を売りたいと考えた時に買い手が見つかるまで納めなければなりません。利用しない物件の固定資産税が高いと大きな負担になるので、軽減するに越したことはありません。

固定資産税が安いと廃業の決断が潔くでき、撤退しやすいため、できるだけ軽減することをおすすめします。

落ち着いた空間を作り出せる

古民家をリノベーションするメリットは比較的、落ち着いた空間を作り出しやすいことです。たとえば古民家であれば、昔は流通していたものの、今では入手困難な素材を使っていたり、長い時間を感じさせる傷や縁側があったりと古いからこそ作り出せる魅力が多くあります。

古民家リノベーションは古いという一般的にデメリットと考えられている点をどのように活かすかが醍醐味です。またインテリアやデザイン次第でお店の雰囲気をがらりと変えられる点も非常に面白く、やりがいを感じやすいポイントです。

このように落ち着いた空間だけでなく、インテリアやデザイン次第でオリジナリティを生み出しやすい点は、お店がうまくいかなくなった時に何かしらの対策が立てやすいでしょう。

古民家の注目度が高まっている

古民家の注目度は近年、高まっています。なぜなら古民家が演出する雰囲気は若い世代や都会に住んでいる人たち、外国人からすると今までになく新鮮で興味深い印象を与えているからです。

また古民家の独特で、落ち着くような雰囲気は若い世代にはSNSで話題になりやすく、外国人からすると思い出に残りやすいという側面からも人気を博しています。多くの人が注目している分、集客には困りにくくなる点は店舗ビジネスを展開するうえで、非常に強力なメリットとなるでしょう。

環境によい素材を活用できる

古民家のリノベーションは環境に良い素材を活用しやすい点も魅力の1つです。もともと古民家は化学物質を使わないヒノキや漆などの天然素材を使っていることが多く、また風向きを考慮して設計されているため、通気性に優れています。

そのためシックハウス症候群を引き起こす可能性が低く、来てくれたお客様の人体にストレスをかけさせないお店になるでしょう。また天然素材を使うことで飲食店であれば食材も含めて体に優しいお店というコンセプトを体現できます。

このように天然素材を使ってリノベーションすることにより、ただ体に優しいだけではなく、お店のコンセプトや雰囲気にも良い効果を生み出すでしょう。

和モダンの雰囲気を出せる

古民家をリノベーションすると和モダンの雰囲気も出せます。和モダンとは昔ながらの「和」の伝統と現代の「モダンテイスト」を合わせた造語です。

温もりがある和の空間に現代風の過ごしやすさを融合していることから年代を問わず、多くの人がくつろげるため、非常に人気が高まっています。特に和モダンは木や土などの自然を感じさせる素材をメインに使うのが定番なので、古民家のリノベーションにはうってつけです。

内装にも木を柱として露出した状態で使うことから、自然木の匂いも楽しめてお店の雰囲気をさらに演出してくれるよいインテリアとなるでしょう。

古民家をリノベーションするデメリット


古民家のリノベーションには注意すべき点もあります。特に古民家だからこそ注意するべき点があるので、リノベーションを成功させるためにも、確実に抑えておきましょう。

リノベーション費用が高額になる可能性がある

古民家のリノベーションは費用が高額になる可能性があります。なぜなら古民家で使われている材質の多くは木材であるため、現代の建物と違い耐震性や断熱性の補強、内装のカビやシミを抜かなくてはならないからです。

またリノベーションの内容次第では固定資産税や火災保険の費用も高額になる可能性があります。たとえば、リノベーションで増築した場合、増築した部分が新築とみなされて、築年数で変化する固定資産税に影響を及ぼすことがあります。

さらに、火災保険料は木材で作られた耐火性が低い物件であれば割高になるケースがあります。

リノベーションにかかる期間が長くなりやすい

リノベーションにかかる期間も長くなりやすい傾向があります。特に時間がかかりやすい原因は国が定めた建築基準法や消防法などを遵守するための工事が大変だからです。

これらの基準を満たそうとするとデザイン設計からおこなう必要があるので、非常に時間がかかりやすいです。また耐震性や断熱性の補強など、古民家の内装のリノベーションの前に国が定めた規定が多いことも期間が長くなりやすい要因でしょう。

耐震性の心配がある

古民家のリノベーションで最も注意するべき点であるのが、耐震性です。特に古民家は木材を使っているため、雨風によって腐食しやすく、リノベーションする際は隅々までチェックする必要があります。

また多くの古民家は築年数が長いことから構造が歪になっていたり、シロアリがいたりするので耐震性の不安がどうしても拭えないでしょう。さらに国が定めた震度6~7であっても即時倒壊しない耐震基準を満たしていないことがほとんどです。

そのため、内装工事の前の補強工事の時点で大掛かりなリノベーションになることを覚悟しておきましょう。

断熱性や気密性がない場合がある

古民家は現代の設計技術を用いていないため、断熱性や気密性が劣る場合があります。夏は熱がこもりやすく、冬は寒さが増すような設計になっていることから、エアコンを常時最大火力で稼働させ続けなくてはならないこともあるでしょう。

しかし、断熱性や気密性がないとエアコンを使ってもなかなか空間が温かさや涼しさを維持できないことから、お客様が過ごしにくく客足が遠のくケースもあります。また、常時エアコンを稼働しているので、電気料金がかさむことが多く、経営の悩みのタネになる可能性もあります。

雨漏りに不安がある

雨漏りも心配するべきポイントの一つです。雨漏りはどこから漏れているか分かれば自分たちで防げて問題はないですが、どこから漏れ出しているのかわからないケースが多いです。

また漏れ出している原因が穴が開いているわけでなく、壁の内側の柱や板から漏れ出している場合もあります。このように雨漏りの原因を特定するだけでも非常に大変で、しっかり対策をするとなるとますます費用がかさむことになります。

ですが、お金をかけずに雨漏りの対策としてバケツを置いたりすると、お店の雰囲気を壊しかねないので対策するならお金をかけて入念に対応しましょう。

古民家をリノベーションした店舗事例


古民家のリノベーション事例として1つ紹介します。大阪の路地裏にひっそり佇む古民家をリノベーションした創作料理店です。

リノベーション費用は約800万円から900万円ほどかかりました。物件のほとんどすべてをリノベーションした他に、お店のロゴやファサードのデザインなどを含めて約900万円未満ですので安く済んだと言えます。

今回のリノベーションのこだわりポイントは和モダンを意識した点です。和モダンを演出するためにレトロなイメージのポストやインターフォン、木材など昭和な素材や周辺をキープしています。

またどこか懐かしい「家」を感じるようなデザインもこだわりポイントです。

URL:肉と野菜 けいとく/ビストロ

古民家リノベーションで店舗を開業する際の注意点


ここからは実際に古民家で店舗を開業する際の注意点を解説します。自己責任となるため、確実に以下の3つの注意点を抑えましょう。

用途変更の申請をする

古民家を改装して商売の店舗として活用する際は建築基準法の用途変更をしなくてはなりません。用途変更の申請をしないまま、お店を開業してしまうと処罰の対象となるので確実に申請しましょう。

ただし床面積が200㎡に満たない古民家であれば用途変更の申請を出さずとも開業できます。そのため、自分が購入した古民家がまずは用途変更をしなければならない対象なのかを確認しましょう。

設備の確認をする

開業するためには設備の確認も怠るわけにはいきません。電気やガス、水道、エアコンなどはお店で商売をする上で確実に必要になる要素です。

そのため、どのくらい設備が整っているのか、また設備がないなら取り付けるのにどのくらいのスペースが必要なのかをあらかじめ把握しましょう。できるだけ設備が整っている古民家を購入した方が後々のリノベーションの費用も浮いてくるので、優先して設備が充実した物件を選ぶとよいです。

法規則の確認をする

法規則についても確認が必要です。特に古民家は建築されたのが20年以上の物件が多いため、「消防法」や「建築基準法」など満たさなければならない法律や規則が守れていないことが多いです。

どれか1つでも満たしていないと後々火事や倒壊などの大事故を引き起こしたり、国から懲罰を受けたりします。お店の倒壊や評判を守るためにも確実に対象の法規則を守りましょう。

さらにカフェやレストランなどの飲食店を開業するのか、美容室や整体・マッサージ店を開業するのかによって物件以外にも守るべき法規則が変わってきます。そのため、まずは自分が開業したい商売と古民家物件が守らなくてはならない法や規則を調べるところから始めましょう。

まとめ


古民家をリノベーションして開業を考えている方は最近増えてきています。特に他にはない独特の雰囲気や落ち着いた雰囲気などを演出しやすく、競合と差別化が図りやすいため、これからますます増えていくでしょう。

自分で理想のお店を持つためにも、今回紹介した古民家の特徴、メリット、デメリット、実際の事例などをぜひ参考にしてください。