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店舗のリノベーションにかかる費用を解説

「店舗のリノベーションに必要な費用」について知りたい方は多いのではないでしょうか?自分の理想の店舗について考えて、リノベーション計画を立てているとどうしても避けられないのが費用面です。

「どのくらいが相場なのかまずは知りたい」「費用が足りないと思ったようなリノベーションができないのでは?」このように考えている方も少なくないでしょう。

実は店舗のリノベーションの費用相場は飲食店かオフィスか美容室かの業種によって大きく変わります。そこで今回はそれぞれの業種別にかかるリノベーション費用について解説します。

具体的に以下のトピックについて説明します。

・店舗のリノベーションにかかる費用相場
・店舗リノベーションの事例
・店舗リノベーションで活用できる補助金
・店舗リノベーションの費用に関する注意点

この記事はさまざまな業種の店舗リノベーションにかかる費用の相場や事例、国からの補助金や注意点など網羅的に店舗のリノベーションについて解説します。自分でビジネスを始めるために店舗のリノベーションについて考えている人はぜひ参考にしてください。

店舗のリノベーションにかかる費用相場


ここからは店舗ビジネスを主に5つの業態に分けて、物件の種類ごとにリノベーションにかかる相場について解説します。自分が開業したい業種の費用相場が全く分からない人はしっかり抑えておきましょう。

飲食店

一般的に飲食店のリノベーション費用相場は600〜1000万円程度です。ただし店舗のリノベーションは居抜き物件かスケルトン物件かによってリノベーションの費用も変わってきます。

居抜き物件とは前に入居していたテナントが使っていた厨房機器、電気・ガス・水道などの設備がそのまま使える物件です。一方、スケルトン物件とは居抜き物件と逆で、備え付けの設備だけでなく、内装もなく柱やコンクリートがむき出しになっている物件を指します。

特に飲食店は坪単価が30〜50万円と他の業態と比べて費用が高い傾向にあり、居抜き物件かスケルトン物件かでリノベーションの範囲が変わります。また飲食店は厨房や冷蔵庫、食洗器などの設備がついているかによっても設備の設置、スペースの確保のリノベーションなどをおこなう必要があるため、大きく影響します。

実際にスケルトン物件で設備の導入を含めて、いちから飲食店を創り上げようとすると平均1500万円程度必要です。そのため、飲食店の店舗を作るなら居抜き物件が良いでしょう。

小売店

小売店のリノベーション費用相場は100〜300万円程度です。一般的にスケルトン物件の坪単価が30〜40万、居抜き物件の坪単価が20〜30万程度ですが小売店は飲食店や美容室と違い、水回りが店舗に必要ありません。

そのため全体のリノベーション費用は安く抑えられます。しかし高級ブランドショップやジュエリーショップになると坪単価が100万円以上にあがることがあるので注意しましょう。

オフィス

オフィスのリノベーション費用相場は坪単価15万程度で、100〜500万円程度です。最高で1,000万円近い金額がかかります。

オフィスのリノベーションは内装の工事よりも社員が快適に過ごしやすいように空調設備や会議室や応接室など用途に応じた部屋を設けるための壁などが費用を増大させています。またコンセントや照明、配線といった電気設備の工事もリノベーション費用を増やしている原因です。

特にオフィスのリノベーションは社員の数や会社の規模、提供している福利厚生によって必要になる設備や環境が変わってきます。そのため、リノベーション費用の相場の幅が大きくなっています。

美容室 / サロン / クリニック

美容室やサロン、クリニックのリノベーション費用相場は100〜300万円程度です。美容室やサロンは坪単価が20万円程度で設備を工夫すれば費用を抑えられますが、クリニックはどうしても費用が掛かりやすいです。

クリニックは衛生管理を徹底したり、内装もリラックスできるように設計したりとお客様への負担を減らさなければならないために費用がかかります。一般的にクリニックの坪単価は40万円程度で、さらに水回りや衛生設備などによってさらに上乗せされるので相場は300万ほどです。

スクール / スタジオ

スクールやスタジオのリノベーション費用相場は400〜700万円程度です。主にレイアウトの設計に費用がかかっており、相場で設計だけで100〜200万円程度必要です。

特にスクールはどのような方向性のスクールなのか、個別指導なのか一斉指導なのかによって適切な部屋の数と広さが変わります。またミーティングルームや自習室など生徒と教師が共に快適に過ごすためにも、設計にはお金を大量に投資するポイントです。

スタジオも同じで、どのようにすればお客様と出演者が快適に過ごせるのかが最も重要ですので、内装のデザインよりも前段階の設計に費用をかけます。

店舗リノベーションの事例と費用


実際に弊社がおこなった店舗リノベーションの事例と費用を紹介します。

NOVASTO / コンサルティング・システム開発

総額費用が約1,300万円~1,800万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・オフィスをリノベーション
・ヘリンボーンデザインにロゴサインの照明が美しくあたたかみあるエントランス
・天井の躯体表しから壁面まで白を基調とし、細部は黒のスチールで統一したオフィススペース
・エンジニアと営業のワークルームを分けることで音を遮る設計
・各所にウッドを使って落ち着ける雰囲気も演出
・デスクはStandardオリジナルデザイン

https://standard-coltd.com/works/14129

ロネン / パティスリー

総額費用が約700万円~1,000万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・パティスリー店舗をリノベーション
・ブルーのレンガは元のままに、白い壁面とウッドフレーム、真鍮のプレートが際立つファサード
・店内の様子をうかがえる大きなウッドフレーム開口とガラスのドアで親しみもあるデザイン
・ショーケース部分の敷石とそれを照らす間接照明によって高級感を演出

https://standard-coltd.com/works/13944

ニチレク / 不動産

総額費用が約1,200万円~1,700万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・オフィスをリノベーション
・ウッドのドアを開けると、ヘリンボーンデザインの床がぐっと奥行きを感じさせる内装デザイン
・スケルトンだった空間を活用。天井を高く設けることで開放的な設計に
・ホールには光と白い敷石。空間が明るくインパクトある中庭

https://standard-coltd.com/works/13999

アクトグループ本社 / オフィス

総額費用が約1,700万円~2,200万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・オフィスをリニューアル
・モノトーンを基調とし、ウッドとロゴが目を引くすっきりとした外観
・ストーンクロスで高級感あるエントランス
・ディスプレイする広いギャラリースペース
・照明・カラーリングを工夫することで明るさと活発さを演出したミーティングルーム
・オフィススペースは既存の木造躯体を活かし、天井の高さを強調
・古さと新しさを融合させた、和モダンな設計デザイン
・オフィスデザイン・設計施工からロゴデザイン・ドアサインなどトータルでお手伝いしました

https://standard-coltd.com/works/13366

緑地公園ギャラリー / 内装空間プロデュース

総額費用が約1,300万円~1,800万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・ファサードは、サインや特徴的なタイルを使用
・スケートボードを使用した看板にQRコード付きのランプなど随所に遊び心を入れました
・入って正面には印象的な絵画と重厚な石張りの壁が調和するメインカウンター
・奥には手書きから製作したオリジナルのネオンサイン
・開放感あるガラス張りで仕切られた個室は、キッズスペースで遊ぶお子様を見守ることもでき安心して個別相談を行えます
・メイン空間のビッグテーブルは中央の植物と窓ガラスの外まで続くデザインでインパクトある什器

https://standard-coltd.com/works/12821

All Things in the / ライフスタイルショップ

総額費用が約800万円~1,300万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・Standard本社1Fのショップ
・天井高を活かして1フロアプラスして新たな空間へ
・ライン照明が施されたハンガーラック、アイアンラック、天板に古材を使用したディスプレイ什器。全てオリジナルデザイン
・アイアンとガラスのサンルームから光を取り込み2Fをメッシュの床にすることで明るく開放感のある空間に

https://standard-coltd.com/works/12637

エアヒール Airheal / ヘアカットサロン

総額費用が約700万円~1,200万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・ヘアカットサロン
・明るく光が差し込む広々とした空間
・モルタルカウンターにブラックのロゴとニュアンスピンクのクロスで大人かわいい雰囲気の受付
・ハニカムタイルと造作の棚を設置して、オーナーセレクトのUSEDが並ぶアパレルブース
・キッズスペースの横にもスタイリングスペースを設置。四角い枠を空けて、キッズスペースが覗けます
・お店のコンセプトを意識した空間づくり
・コンセプトからネーミング・ロゴデザイン、店舗デザイン・設計、施工まで一貫してStandardでお手伝いしました

https://standard-coltd.com/works/11471

BROWN COFFEE COMPANY / カフェ

総額費用が約500万円~1,000万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・コーヒースタンド
・オーナーがセレクトしたヴィンテージ家具、アート、植物が映えるモノトーンの空間
・陽射しが店内に降り注ぐ大きな窓
・時間を忘れてしまうような無機質ながら暖かい空間

https://standard-coltd.com/works/9271

pizzeria PariarE / ピッツェリア

総額費用が約1,000万円~1,500万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・本場イタリアで修業したオーナーが1枚1枚丁寧に石釜で焼き上げるピザ
・木とモルタルの男前な空間
・遊び心にブルーのモザイクタイルを所々にあしらいました

https://standard-coltd.com/works/8064

9Borden Coffee / カフェ

総額費用が約1,200万円~1,700万円のリノベーション事例です。

おすすめポイント
・港近くにオープンしたカフェ
・場所柄、多国籍にお客様が訪れますが皆さんが集う、居心地いい空間へとアップデート
・ネオンサインのお店のロゴで目を引くファサード
・入口に、外気遮断、ホコリなど外からの侵入を防ぐためのエアカーテン
・お店のオリジナル商品を置くために設置したディスプレイシェルフ。収納を兼ねた設計のベンチも設置

https://standard-coltd.com/works/6247

店舗リノベーションで活用できる補助金


店舗のリノベーションには、国や自治体が用意している補助金や助成金の制度があります。適応される制度を利用して少しでも店舗の開業の負担を軽減してください。

小規模事業者持続化補助金

働き方改革や賃上げ、インボイス制度、課税など今後の制度改革に対応して、小規模の事業者が事業を継続、展開していくために作られた制度です。主に販路拡大やDXによる事業効率化に強みを持っている制度で、最大で50万円補助されます。

ですが店舗を開業する前に補助してもらえるものではなく、すでに税務署に開業届けか、法人登録を行っていないと補助してもらえないので注意しましょう。

業務改善助成金

業務改善補助金とは元々国の最低賃金を引き上げるために制定された制度です。受給するためには「生産性を高めるために機器や設備を導入して業務を改善した」や「賃金引き上げの施策をおこなう」などの条件があります。

最低賃金を何円引き上げたかによって受けられるサポートも細かく変わるので、ぜひ一度調べてみましょう。

事業再構築補助金

2020年以降の新型コロナによる市場経済の激変によって経営に大きな打撃を受けた企業や個人事業主を対象にした補助金です。主にポストコロナ時代を見据えて新分野展開、事業転換、業態転換、事業再編成などへの取り組みを支援することを目的としています。

卒業枠やグローバルV字回復枠などさまざまな枠が用意されており、最大で1億円までサポートを享受できます。国の制度として最大級の補助で、店舗リノベーションの費用にも回せておすすめですので一度申請してみましょう。

受動喫煙防止対策補助金

受動喫煙防止対策補助金とは一定の要件を満たす専用喫煙室の設置や修繕に対して改装費用の一部を負担する助成金です。受動喫煙を防ぐために作られた制度ですので、すべての専門喫煙室がサポートを受けられるわけではありません。

飲食店であれば助成金を受け取る確率は65%ほどで、最大100万円ほどのサポートを受けられるので店舗のリノベーションにお金を回しやすいでしょう。

中小企業等による感染症対策助成事業

この制度は公益財団法人・東京都中小企業振興公社が制定した制度です。そのため東京の中小企業しか適応されません。

新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインに基づいておこなう取組費用の一部を助成する助成金で経済活動の推進を目的としています。

雇用調整助成金

雇用調整助成金とは経営が圧迫し、お店を閉めなければならないといった事業縮小を余儀なくされた事業主が雇用により維持を図るために休業手当用の費用として助成するお金です。

一般的に経済的な理由でしかサポートを受けられませんが、新型コロナウイルスによって休業を余儀なくされた事業者にも適応されます。また店舗の改装にともなう休業も対象とされているので、店舗のリノベーションの費用として利用できます。

店舗リノベーションの費用に関する注意点


店舗のリノベーションの費用には注意点が主に3つあります。コスパよく、満足度の高いリノベーションにするためにも注意点を抑えましょう。

リノベーションしたい項目と優先順位を決める

リノベーションに理想を詰め込みすぎて予算をオーバーしたり、期間が延びたりすることがあります。そのため事前にどうしてもリノベーションしたい項目と資金や時間が余っていたら優先して行ってほしいポイントをまとめておきましょう。

事前に紙に書き出してまとめてみると意外と優先順位が変わったり、優先する項目が新たに変わったりなど本当のニーズに気付けます。またまとめておくとリノベーションの施工会社との打ち合わせや希望を伝える際もスムーズに進むのである程度、リノベーションの優先順位や項目をまとめておきましょう。

リノベーション会社に予算を事前に伝えておく

リノベーションの施工会社に予算を事前に伝えておきましょう。事前に予算を伝えずに理想の店舗について語りすぎて、せっかく施工会社が設計してくれても予算をオーバーして無駄になったというケースは多いです。

また予算を伝えた段階で、ある程度理想としているリノベーションのうち、できることとできないことをリノベーション会社の人は判断できます。そのため、予算や時間の関係でリノベーション内容の変更の可能性も踏まえて早めに予算を伝えておきましょう。

厨房機はお客様側で手配が必要になる

店舗のリノベーションで気になる点と言えば厨房機についてでしょう。厨房機は基本的にリノベーション会社が行ってくれるわけではなく、リノベーションを依頼するお客様側で手配しないといけません。

リノベーション会社が厨房機の会社を斡旋していることもありますが、基本的に厨房機の会社を探さなくてはならないことを理解しておきましょう。

まとめ


店舗のリノベーションをサポートする国の制度は実は多く存在しています。それぞれの業種の費用相場についても解説したので、どのくらい費用が必要なのか、そして利用できる国の制度をまずは調べてみましょう。

店舗をリノベーションして開業したほうが資金面やお店の雰囲気などさまざまなメリットがあり、最近はおこなう人が増えてきています。ですので、ぜひ参考にして活かしてください。