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玄関土間にリノベーションするメリット・デメリットや事例をご紹介

近年、伝統的な日本の住宅文化を再評価する動きの中で、玄関の土間リノベーションが注目を集めています。

しかし、実際に土間にすることのメリットやデメリットはどのようなものなのでしょうか?

また、成功した土間玄関のリノベーション事例はどのようなものがあるのでしょうか?

この記事ではリノベーションプランナーの目線で、土間玄関の魅力や注意点を詳しく解説し、

実際のリノベーション事例を通じて、その魅力をより深く探求していきます。

土間玄関の可能性を最大限に引き出すヒントが満載ですので、リノベーションを検討中の方はぜひご一読ください。

 

土間 」って何?

土間とは、日本の伝統的な住宅における床が土や石で固められた部分を指します。

古くから日本の住宅文化に深く根付いており、火を扱う場所や作業スペースとしての役割を果たしてきました。

安全性や火災のリスクを低減する目的で、家の中心や入口付近に位置することが多いです。

 

土間の歴史

土間は、日本の伝統的な住宅における床が土や石で固められた部分を示し、縄文時代からの長い歴史を持っています。

竪穴式住居の時代には、床全体が土間で、藁などを敷いて生活していました。

江戸時代に進むと、住宅の様式は「 土間 + 小上がり + 畳 」という形に変わり、土間は近所の人や客人との交流の場として、

また、家の中のプライベート空間とパブリック空間を繋ぐ中間領域としての役割を果たしていました。

また、土間は炊事や作業を行う場所としても利用されていました。

特に火を使う場所としての土間は、火災予防の観点からも重要で、竈や水桶を設けて炊事の場所としての機能を果たしていました。

20世紀初頭に西洋文化が流入すると日本の住宅様式は大きく変わり、土間の概念は少なくなりましたが、

近年、再び土間を取り入れた住宅が注目されています。

現代の土間は、伝統的な三和土から、モルタルやタイルを使用したデザインへと変化してきました。

土間は日本の清潔な生活文化の象徴とも言えるもので、外履きを脱いで生活するスタイルが形成されてきました。

そして、家の種類や時代によって、その使い方や役割が変わってきましたが、

土の上での作業や料理は、木造の日本の家にとって、非常に都合が良かったのでしょう。

最近の土間

土間は、一時期、その存在が薄れることもありましたが、近年、外と内の中間領域としての魅力が再認識されています。

アウトドアの流行や在宅ワークの増加に伴い、土間は新しい役割を果たしています。

室内で外の用品を取り扱ったり、お気に入りの自転車を展示したりするためのスペースとして、

また、仕事のONOFFを切り替えるための場所としても利用されています。

さらに、玄関やダイニング、リビングを土間として設計することで、外との繋がりを持たせ、一体的な広がりを生み出す手法も見られます。

現代のライフスタイルや希望に合わせて、汚れや濡れた荷物の置き場所、ガーデニングのスペース、ペットや子供の遊び場として、

また、気軽にお客さんを迎える場所として、土間は多様なニーズに応える豊かな空間として再評価されています。

 

玄関よりも土間にするメリット

玄関よりも土間にするメリットを紹介します。

 

  • 外部で使う汚れ物を置きやすい

 

  • 部屋とは違う場所が生まれる

 

  • 外でしかできなかった事が家の中で出来る

 

  • 床(木材)ではないので水にも強い

 

  • 外との出入りがしやすい

 

外部で使う汚れ物を置きやすい

 

玄関を土間にすることは、外部で使った汚れた物品を気軽に置きやすくなります。

土間は、その構造と素材の性質上、汚れや水分を吸収しやすく、また清掃も容易です。

プランナーとして考えると、住宅の入口部分に土間を配置することで、外部の泥や雨水などを持ち込むリスクを低減できます。

また、アウトドア活動やガーデニングなどの趣味を持つ住人にとっては、道具や用品を直接土間に置くことができるため、

室内の清潔さを保ちつつ、日常の活動がスムーズに行えるようになります。

 

部屋とは違う場所が生まれる

 

玄関を土間にすることで、住宅内に独特の中間領域が生まれ、新しい活用方法や空間の魅力が増します。

土間は、室内と室外の境界を曖昧にする特性を持っています。

この中間領域は、住まいの中で独自の役割を果たすことができる場所となります。

例えば、外からの訪問者を迎えるエリア、趣味の道具を一時的に置くスペース、カジュアルに集まる場所とすることができます。

通常の部屋とは異なる、半外部の性質を持つ土間は、住宅のデザインや機能性に新しい可能性をもたらし、

住まい手のライフスタイルに合わせた多様な使い方が期待できます。

 

外でしかできなかった事が家の中で出来る

 

玄関を土間にすることで、外部活動や作業を住宅内で快適に行うことが可能となります。

土間は、その性質上、汚れや水分に強くメンテナンスも容易です。

この特性を活かすことで、例えばガーデニングの作業やアウトドア用具の手入れ、自転車の修理など通常は外でしか行えなかった作業を、

の中で行うことができるようになります。また、土間は室内と室外の中間的な性質を持っているため、

外の活動を室内にスムーズに繋げることができ、生活の質を向上させることが期待できます。

 

床(木材)ではないので水にも強い

 

玄関を土間にすることで、水や湿気によるダメージを大幅に軽減し、長持ちする玄関空間を実現できます。

土間は、土や石で固められた部分を指すもので、これらの素材は水や湿気に対して非常に耐性があります。

プランナーとして考えると、特に日本の多湿な気候や雨の多い日に、玄関は水分を大量に受ける場所となります。

木材を使用した床は、繰り返しの水分や湿気の影響を受けると、腐食や変形のリスクが高まります。

一方、土間はそのようなリスクが低く、メンテナンスも容易です。

そのため、耐久性を高めるとともに、長期的なコスト削減や美観の維持にも寄与します。

 

外との出入りがしやすい

 

玄関を土間にすることで、住宅と外部との移動がスムーズになり、日常の生活がより快適になります。

土間は、汚れや水分に強いため、外からの汚れや湿気を気にせずに出入りすることができます。

特に雨の日やガーデニング後など、外部での活動が多い家庭では、土間の玄関は大変便利です。

また、土間は滑りにくい素材を選ぶことができるため、安全に出入りすることが可能です。

これにより、家の中と外との移動がスムーズになり、生活の中での小さなストレスや手間が軽減されます。

 

玄関よりも土間にするデメリットも紹介します。

 

  • 床スペースとのバランスが難しい

 

  • 生活の必要スペースとは別にスペースを確保したい

 

  • 土足の使用は場所が限られる

 

床スペースとのバランスが難しい

 

玄関を土間にする場合、住宅内の他の床スペースとの統一感やバランスを取るのが難しくなることがあります。

土間は、その特性上、他の部屋の床材とは異なる質感や色合いを持っています。

デザインや素材の選択において、土間と他の部屋との間に違和感が生じないようにすることは一つの課題となります。

特に、オープンな間取りや一体感を重視した住宅デザインの場合、土間の玄関と他の部屋とのバランスを取るのが難しく、

全体のデザインや雰囲気を統一するための工夫や配慮が必要となります。

 

土足の使用は場所が限られる

 

玄関を土間にすると、土足での移動や活動が玄関エリアに限定され、住宅内での自由度が制約されることがあります。

土間は、その性質上、土足での利用が前提となっています。

日本の住宅文化では、室内は基本的に裸足や履き物を脱いで利用するのが一般的です。

このため、土間の玄関と他の部屋との間で、履き物を脱ぎ履きする動線が必要となります。

これにより、住宅内での移動や活動の自由度が制約されることが考えられ、

特に来客時や日常の生活の中で、その制約を感じることがあるかもしれません。

土間の利点を活かしつつ、住まい手のライフスタイルに合わせた動線の設計や工夫が求められます。

 

生活の必要スペースとは別にスペースを確保したい

 

玄関を土間にする場合、日常の生活スペースとは別に、追加のスペースを確保する必要が生じることがあります。

土間は、外部との接点としての役割を果たすため、外からの汚れや湿気を受けやすいエリアとなります。

この土間エリアと日常の生活スペースを明確に分けることで、室内の清潔さや快適さを維持することが考えられます。

しかし、このような分離を図るためには、土間エリアとしてのスペースを十分に確保する必要があり、

特に土地面積が限られている都市部の住宅などでは、有効なスペースの確保が課題となることが考えられます。

その結果、住宅全体の間取りやデザインにおいて、より慎重な計画や工夫が求められることとなります。

 

Standard設計クルーが選ぶスタイルを感じる土間をご紹介!

弊社、Standard設計クルーが選ぶスタイルを感じる土間の事例を紹介します。

 

事例  土間を含む動線の面白さ

 

URL:https://standard-coltd.com/works/15948

 選んだ理由:

 SICでありながら、寝室へも直行できるという動線がユニークです。 

 部屋とつながる事で、玄関横の収納に別の用途が生まれそう。 

 

 

事例 】ベンチを使って作る裏動線

 

URL:https://standard-coltd.com/works/13470

 選んだ理由:

 魅力的な2つの動線。部屋のように広い裏動線に収納がたくさんあり、 

 入ってすぐの正面のベンチも印象的で、まるでホテルのウェルカムスペースのようです。 

 

 

事例 】土間とSICで広く使える空間

 

URL:https://standard-coltd.com/works/10720

 選んだ理由:

 床に貼ってる部分とも合わせた広いスペース。

 土間だけでなく、SICとした空間なのが使いやすそう。 

 

 

ま と め

玄関を土間にリノベーションすることは、日本の伝統的な住宅文化を現代のライフスタイルに取り入れる魅力的な方法です。

そのメリットとして、外部での活動や趣味を室内でも楽しめるスペースの確保、水や汚れに強い構造、

そして、外との繋がりを持つ開放的な空間の提供が挙げられます。

一方で、デメリットとしては、生活スペースとのバランスの取りづらさや、土足の使用範囲が限定されることなどが考えられます。

実際のリノベーション事例を通じて、これらのメリットやデメリットがどのように取り入れられ、どのような工夫がされているのかを紹介しました。

土間玄関のリノベーションは、適切な計画と工夫により、住まいの魅力を一層引き立てる要素となることを確認できます。

 

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